前回の続きです。
前回の記事はこちら。
社交不安障害を理解している心療内科へ
その頃はまだ社交不安障害という言葉が出始めで理解が進んでいないお医者さんもいるみたいだったので、社交不安障害の公式サイトに載っていた病院リストから自分の家から通える範囲のところを探して行きました。
あまり近すぎるのも知っている人に会いそうで嫌だったから、私は電車で10分ほどの病院を選びました。
初診は予約制とのことだったので緊張しながら電話したのですが、受付の女性がとても感じ良く優しい声だったので安心したのを覚えています。
診察の流れ
診察当日です。
10年以上前の話になるので記憶が不鮮明ですが覚えていることを書きますね。
まず受付の方に自分の名前を言うと初診用の問診表を書いてくださいとのことでした。
そこにはとても細かく記入するところがあって、簡単な心理状態のチェックテストのようなものもありました。
待合室には誰もいなかったので、人の目を気にすることなくじっくりと回答できました。
問診票を受付に提出してから何分か待った後名前が呼ばれたので、ドキドキしながら診察室へ入りました。
きちんと私の今の症状を説明しなければ!!と意気込みつつも緊張していた私に、先生は先程の問診票を見ながらまずは優しく私の現状を確認してくれました。
先生が確認する言葉に対して私が少しずつ補足していく、という形で診察は進んでいき、私は自分の症状や、プレゼンでどうにかこの症状を出さないようにしたいという希望をすんなり伝えることができました。
「わかりました、じゃあお薬出しましょうね」
と笑顔の先生。
「え、薬で震えは出なくなりますか?」と聞くと、「大丈夫ですよ。緊張する場面の1時間くらい前に飲んでくださいね」とのこと。
本当に?震えって薬で抑えられるの?と半信半疑でしたが、とにかくすがるような気持ちで薬をもらって帰宅しました。
もらった薬
SSRIである抗うつ薬(長期服用)と、αβ遮断薬である頓服薬(緊張場面の前に服用)の2種類をいただきました。
薬の効果にビックリ!
SSRIを日常的に服用するようになっても、さほど効果は感じませんでした。
落ち込むことが少し減ったかな?でも…気のせいかも?というくらい(笑)
私にとっては日常でのことよりも、プレゼンの時に症状が出ないことが一番大事。
そのために心療内科に行ったわけですから。
頓服薬をプレゼン本番前に服用していざ効果なし!となってはまずいので、試すつもりで飲み会前に服用してみました。
飲み会、すごく苦手なんです。特にあまり知らない人たちとの。
アルコールが入ってしまえば少し楽になりますが、最初の乾杯で震えがくるし、会話に入っていくのも難しいし。
飲み会後はいつも一人で落ち込んでいました。
だからできるだけ行かないようにしていたんですが、薬の効果を調べるために積極的に参加!
すると…
本当にびっくりするくらい緊張もなくて首も震えなかったんです。
しかも、みんなの前で挨拶させられてしまったんですが、その時でさえ心臓がバクバクすることもなく平然と話すことができたんです!!!
私、この頓服薬があれば何でもできるんじゃない?と思うくらい舞い上がりました。
大丈夫!いける!この薬があれば乗り切れる!
急激に自信が湧いて来たのを覚えています。
プレゼン成功!
きっちり頓服薬を飲むのさえ忘れなければ大丈夫!と自信をもってのぞむことができたプレゼン。
初めてのことだったので失敗はいくつかありましたが、社交不安障害だからこその失敗はありませんでした。
ちゃんと前を向いて
不自然に震えることなく
堂々と
聞いてくださっている人たちと目を合わせることもできたし
時にはちょっと微笑んでみたりもできるくらい
私にとっては十分満足にこなすことができました。
本当に嬉しかったです。
通院終了
その後もSSRIを日常的に服用し、緊張場面では頓服薬に助けてもらうことで、私の社交不安障害は少しずつ治っていったように思います。
友達の結婚式のスピーチもできたし、自分の結婚式でも堂々と振る舞うことができました。
普通の自信のある人になれた気持ちがしました。
そして、結婚して主婦になったことで緊張場面に遭遇することもなくなり、引越して病院が遠くなったこともあり、通院を辞めてしまいました。
薬のおかげでだいぶ良くなっていたとは思いますが、完治したかどうかはわからないままの通院終了でした。
その後、私は妊娠・出産。
赤ちゃんのお世話に追われて、社交不安障害のことなんて忘れていました。
まだ寝返りもしない可愛いわが子とマンションの部屋の中で2人きりの日中。
ほとんど外に出ることもなく、守られた空間。
なんて幸せなんだろう、と思っていました。
幸せってこういうことか、なんて。
その頃が一番幸せだったかも、と今思い出しても思います。
そのうち、子供が成長して歩けるようになると、外へ出たいと主張し始めました。
恐れていた『公園デビュー』です。
また長くなってしまいました。
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